経蝶形骨洞手術に特化した術中チェックリストの作成

公開日:

2016年10月3日  

最終更新日:

2017年6月9日

A checklist for endonasal transsphenoidal anterior skull base surgery.

Author:

Laws ER  et al.

Affiliation:

Departments of Neurosurgery, Brigham and Women’s Hospital, Boston, MA, USA

⇒ PubMedで読む[PMID:26517770]

ジャーナル名:J Neurosurg.
発行年月:2016 Jun
巻数:124(6)
開始ページ:1634

【背景】

内視鏡下経蝶形骨洞手術は一般に安全な手術と考えられているが,すべての合併症をあわせるとその頻度は20%に達し,再手術症例ではさらにそのリスクは高い.外科手術全般に対するチェックリスト(WHO SSC)が周術期合併症を有意に低下させてきたが,脳外科専用チェックリストもその有用性が報告されてきた.下垂体疾患に特有な患者の状態,経蝶形骨洞手術に必要な特殊な器具を考慮すると,経蝶形骨洞手術に特有な術中チェックリストを作成する必要性がある.Brigham and Women's HospitalのLaws ERは,経蝶形骨洞手術の安全性と有用性を高めるため専用の術中チェックリストを作成した.

【結論】

チェックリストはAnesthesia Pause, Surgical Pause, Equipment Pause, and Closure Pauseの4部からなる.麻酔開始前,手術開始前,患者退室前に大きな声で読み上げる.たとえば,Anesthesia Pauseにはステロイドの必要性,鼻閉用スプレイの必要性,挿管チューブの固定位置,尿崩症の有無,下肢静脈血栓防止方法,脂肪採取部位などが確認される.

【評価】

手術室全般でも用いられるpause(タイムアウト)は普及しつつあるが,経蝶形骨洞手術は疾患の特異性,体位や器具の特殊性が高いので,手技特異的なチェックリストが求められる.報告者らは現在,このチェックリストの有用性を検証中である.
医療現場におけるチェックリストの有用性は繰り返し語られているが,一方,チェックリスト慣れ,チェックリスト疲れも広がっている.実効性を高めるための工夫も問われるようになってきている.

執筆者: 

有田和徳

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