再発膠芽腫に対する再手術と延命効果

公開日:

2016年10月18日  

最終更新日:

2017年6月9日

Reoperation for Recurrent Glioblastoma and Its Association With Survival Benefit.

Author:

Patrick A. Tully  et al.

Affiliation:

Department of Neurosurgery, The Royal Melbourne Hospital, Australia

⇒ PubMedで読む[PMID:27409404]

ジャーナル名:Neurosurgery.
発行年月:2016 Jul
巻数:[Epub ahead of print]
開始ページ:

【背景】

神経膠芽腫(GBM)は初期治療が成功しても再発は避けられず,再発に対する治療法は確立されていない.
オーストラリアThe Royal Melbourne HospitalのTullyらは,後向きコホート研究により,de novo GBM患者において初回手術時に再手術を予測する因子及び生存率に関連する予後因子を検討した(n=204).

【結論】

GBM患者204例中,49例(24%)は再発時に再手術を受けた.全生存期間の中央値は再手術群で20.1ヶ月,非再手術群で9.0ヶ月であった(p=.001).再手術は全集団でより長い全生存期間と関連していたが,この結果には選択バイアスがかかっており,再手術が考慮されそうにない患者を除外したサブグループ分析では,再手術の生存に対する影響はそれほど有意でないことが示唆された(p=.042).望ましくない患者特性が除外されると,再手術は生存の独立予測因子とならない(p=.290).初回手術時に再手術を予測する因子は,より若い年齢・小さい腫瘍サイズ・初回切除範囲≧50%・より短い入院期間・最大初回補助療法であった.

【評価】

再発GBMにおいて,初回手術時の再手術予測因子及びこれらの患者の生存転帰を評価した初の国際的な論文である.
全対象患者では再手術群では全生存期間は有意に長い.当然のことながら,この結果は多くのバイアスを含んでおり,再手術の判断に否定的に影響する因子(80歳以上,悪いPS,脳幹・小脳腫瘍)を有する患者群を除くと再手術の全生存期間への影響は小さくなり,この集団でさらに患者を70歳以下に限定すると再手術はOSに全く影響を与えない.
再手術群にはそもそも,転帰が良好な因子が含まれているという結論であるが,より大規模なコホートを用い,再発時のPS,年齢,再発腫瘍の大きさなどをマッチさせた群での確認が必要である.
一方,本研究で明らかになった初回手術時の再手術予測因子は患者カウンセリング等において重要な情報となり,患者が再手術に備えることをサポートできる.
ただし、今後、再発GBMに対する抗VEGF抗体薬の利用が進むと、手術適応患者は少なくなっていく可能性がある。

執筆者: 

宇田川梨紗   

監修者: 

有田和徳

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