分泌性髄膜腫:脳浮腫によるけいれんの頻度の増加

公開日:

2016年8月8日  

最終更新日:

2017年6月9日

Secretory Meningiomas: Increased Prevalence of Seizures Secondary to Edema Formation in a Rare Histologic Subtype

Author:

Mohme M  et al.

Affiliation:

University Medical Center Hamburg Eppendorf, Germany.

⇒ PubMedで読む[PMID:27241088]

ジャーナル名:World Neurosurgery
発行年月:2016 
巻数:92
開始ページ:418

【背景】

分泌性髄膜腫(WHO Grade 1)は稀なタイプの髄膜腫であり,腫瘍径に比較して不相応に強い脳浮腫を伴う.1988年以降にHamburg Eppendorf大学メディカルセンターで経験した髄膜腫1970例の中で分泌性髄膜腫は69例(3.5%)であった.この69例を年齢,腫瘍の存在部位,WHO Grade(Grade 1)を一致させた非分泌性髄膜腫69例(対照群の)と比較した.

【結論】

受診の契機となった症状のうちけいれんが占める割合は対照群に比較して分泌性髄膜腫で有意に多かった(33% vs. 13%, p=0.008).分泌性髄膜腫群ではけいれんは浮腫の程度と相関し,対照群では腫瘍径と相関した.治療上,分泌性髄膜腫はより多量のステロイド剤の投与と,より長いICU滞在を必要とした.術後長期追跡(平均33カ月)が可能であった分泌性髄膜腫39例では再発率は35.9%で対照とした非分泌性髄膜腫320例の再発率(13.4%)と比較して有意に高値であった(p<0.001).

【評価】

脳硬膜に由来する髄膜腫は12亜型に分類され,分泌性髄膜腫(secretory meningioma)は6種類のWHO grade 1髄膜腫の1亜型である.病理学的には細胞内にPAS陽性分泌物を含む上皮様変化を示す腫瘍細胞が特徴である.このPAS陽性物質はCEA陽性で,腫瘍細胞はCEAとサイトケラチンに陽性である.血中CEA濃度が上昇することもある.腫瘍周囲の脳に浮腫を伴うことが多い.最近, 分泌性髄膜腫の原因遺伝子としてKLF4 K409Q とTRAF7の2つの遺伝子変異が示唆されている.特にKLF遺伝子異常は本腫瘍に特異的とされている.


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