前交通動脈瘤が形成されやすい脳主幹動脈の家族性の形態的特徴があるか

公開日:

2016年8月12日  

最終更新日:

2017年9月23日

Is there an inherited anatomical conformation favoring aneurysmal formation of the anterior communicating artery?

Author:

Bourcier R  et al.

Affiliation:

Department of Diagnostic and Interventional Neuroradiology, Hospital Guillaume et René Laennec; France

⇒ PubMedで読む[PMID:27315030]

ジャーナル名:J Neurosurg.
発行年月:2016 Jun
巻数:
開始ページ:1-8. [Epub ahead of print]

【背景】

脳動脈瘤の形成に関わる病態生理学的なメカニズムは,まだ不明である.フランスのギョーム,ルネ・ラエンネック病院脳血管内治療科のBourcier Rは,家族性の前交通動脈瘤の形成に関与する脳動脈のバリエーションの関与を検討した.ここでいう家族性とは,前交通動脈瘤を有する患者のうち血縁関係にある一親等の家族に少なくとも一人が脳動脈瘤を有することと定義されている.対象は,FACAA群;家族歴を有する前交通動脈瘤24例,HFDRs;FACAA群の一親等家族のうち脳動脈瘤を有さない20例,SACAA群;孤発性の前交通動脈瘤24例,の3群である.

【結論】

前大脳動脈A1部分の太さの非対称性はFACAA 群ではHFDR 群より有意に多かった(p = 0.002).動脈瘤側の A1-A2 角は FACAA群(p = 0.003)と SACAA群(p = 0.007)ではHFDR群 より有意に小さかった.この結果は動脈瘤の形成には血行力学的な制約が重要であることを強調するものであった.

【評価】

家族性動脈瘤に関する先行のMackey J(Stroke. 2013;44:38〜42.)の研究では,動脈瘤の位置は発端者とその家族で同一の場所であることが,対照とした他の家族性動脈瘤患者よりも多いことが示されている.家族性の前交通動脈瘤を対象としたBourcier Rらによる本研究は,①動脈瘤発生は遺伝性の前大脳動脈の形状に関係する可能性,②少なくとも前交通動脈に関する限り,動脈瘤発生は遺伝性ではなく,もっぱら血行力学的制約に基づくとする2つの仮説を同時に提示することとなった.

執筆者: 

有田和徳

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