新規神経膠芽腫を有する高齢あるいはフレイル患者に対する短期集中放射線照射の評価:国際原子力機関(IAEA)の国際無作為割り付け試験

公開日:

2016年8月8日  

最終更新日:

2017年6月9日

International Atomic Energy Agency Randomized Phase III Study of Radiation Therapy in Elderly and/or Frail Patients With Newly Diagnosed Glioblastoma Multiforme.

Author:

Roa W  et al.

Affiliation:

University of Alberta, Canada

⇒ PubMedで読む[PMID:26392096]

ジャーナル名:Journal of Clinical Oncology
発行年月:2015 Dec
巻数:33(35)
開始ページ:4145

【背景】

新規膠芽腫を有する高齢あるいはフレイル患者に対する適切な放射線照射の方法はまだ確立されていない.本研究の対象患者群は50歳以上でKPS50〜70%, 65歳以上でKPS50〜70%, 65歳以上でKPS:80〜100%の3群.これらを満たす患者対して2アームの治療を年齢,KPS,摘出率に応じてほぼ1:1で無作為で割り付けた.第1アームでは5日間で25Gyを,第2アームでは15日間で40Gyを照射した(n=98).

【結論】

生存期間(OS)中央値は第1アーム7.9カ月(95%CI, 6.3〜9.6カ月),第2アーム6.4カ月(95% CI, 5.1〜7.6カ月).無増悪生存期間(PFS)中央値は第1アーム4.2カ月(95%CI, 2.5〜5.9カ月),第2アーム4.2カ月(95% CI, 2.6〜 5.7カ月). 治療後4週目と 8週目のQOLスコアは2群間で差がなかった.結果,5日間25Gyの短期間放射線照射は15日間40Gyの照射法に比較して非劣性であった.治療期間の短縮という観点で,短期間照射は高齢あるいはフレイル患者の新規膠芽腫に対する治療オプションとして推奨できる可能性がある.

【評価】

本研究は,2004年のRoa Wらの高齢者新規膠芽腫患者に対する前向き無作為割り付け試験を受けたものである.Roaらの試験では現在一般成人患者に対する標準治療となっている60Gy/30分割に対して,45Gy/15分割がOSにおいて差がないことを示している.本研究は,治療期間のさらなる短縮(25Gy/5日間)がOS, PFS, QOLの観点から可能であることを示唆したものである.本研究では,ヨーロッパ,北アメリカの先進国が参加していないこと,3割強がCTベースの診断であること,摘出率がバイオプシーから肉眼的全摘出まで多様であること,照射法が,コバルト,ライナック,超高圧放射線などと統一されていない,などの問題が指摘できる.現在スタンダードとなっているテモゾロミド併用,さらにはベバシツマブの投与下での標準放射線照射と短縮照射との比較は今後の課題である.

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