術前血小板数は開頭腫瘍摘出後の転帰に影響を及ぼすか

公開日:

2016年11月6日  

最終更新日:

2017年6月9日

Thrombocytopenia and craniotomy for tumor: A National Surgical Quality Improvement Program analysis.

Author:

Ian F. Dunn, MD  et al.

Affiliation:

Brigham and Women’s Hospital and Harvard Medical School,

⇒ PubMedで読む[PMID:26990185]

ジャーナル名:Cancer.
発行年月:2016 Jun
巻数:122(11)
開始ページ:1708

【背景】

腫瘍を有する患者では血小板減少症はよくみられ,開頭術に際してはしばしば頭蓋内出血をきたし問題となるが,術前の血小板数と頭蓋内腫瘍摘出患者の転帰の関連性について分析した研究成果は乏しい.アメリカBrigham and Women’s HospitalのIanらはNSQIP(National Surgical Quality Improvement Program registry)登録の脳腫瘍に対する開頭手術を受けた14,852名を対象に多変量解析を用いて検証した.

【結論】

対象患者14,852名を血小板数の程度から軽度低下(125,000〜149,000/μL),中等度低下(100,000〜124,000/μL),重度低下(75,000〜99,000/μL),最重度低下(<75,000/μL)の4群に分けると,30日間死亡の調整済みハザード比は,血小板減少症がない群に比べて,中等度低下群以上で有意に高く,血小板数が低い群ほど高かった.血小板減少が中等度の群では7%に予定にない再手術が行われ,そのうち53.3%が頭蓋内出血が原因であった.

【評価】

開頭術の術前には血小板数が10万以上あることが望ましいとする定説を支持する研究結果であった.もっとも,開頭による腫瘍摘出を予定している血小板減少症の患者において術前の血小板輸血が転帰を改善させるか否かに関しては,RCTでの検証を待つべきといえる.

執筆者: 

原裕明   

監修者: 

有田和徳

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