経鼻内視鏡単独手術による頭蓋咽頭腫の全摘出の予測因子は何か:ワイルコーネル医科大学の111例

公開日:

2023年6月6日  

最終更新日:

2023年7月11日

【背景】

頭蓋咽頭腫コントロールの最良の方策は全摘出手術であるが(文献1,2),安全性が担保されなければならない.ワイルコーネル医科大学脳外科のチームは,頭蓋咽頭腫の全摘出(GTR)達成と再発に関わる因子を検討した.対象は,2004-2022年に経鼻内視鏡単独手術が実施された頭蓋咽頭腫の連続111症例(成人88例,小児23例)で,このうち46例が再発例であった.86例(77.5%)でGTRが試みられた.下垂体茎は腫瘍浸潤がなければ温存した.実際の摘出度は,GTR:64.9%,ほぼ全摘出(98%以上):11.7%,亜全摘出(98%未満):23.4%であった.12例に術後照射が行われた.