公開日:
2023年6月7日最終更新日:
2023年7月22日【背景】
元来,膠芽腫は高齢者に多い腫瘍で,患者の過半は65歳以上であるが(文献1),人口の高齢化と共に高齢者の割合も増加している.膠芽腫患者の予後に最も強く相関するのは摘出率であるが,高齢者でも摘出率が生命予後に与える影響は大きい事が知られている(文献2).ただし,高齢者では手術による合併症率が高く,このため生検術が採用されることが多い(文献2,3).本稿は,高齢者における膠芽腫の摘出術の意義を検討するためにフランス9施設で行われたRCT(ANOCEF研究)である.対象は2008年から2019年までに受診した70歳以上でKPS≧50の膠芽腫患者101例で,摘出術と生検術に1対1で無作為割り付けされた.
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