DOAC早期投与は後期投与と比較して頭蓋内出血のリスクを高めず,脳梗塞予防効果を高めるかも知れない:ELAN試験

公開日:

2023年6月8日  

最終更新日:

2023年9月13日

【背景】

心原性脳塞栓症のうち大梗塞例では抗凝固剤の早期投与が出血性変化を起こすことが危惧される.このため,心原性脳塞栓症のうち軽症では直ちに抗凝固療法を開始するが,重症な梗塞ほど開始を遅らせる1-3-6-12日ルールが提唱されている(文献1).しかし,このタイミングでは遅すぎるのではないかという考えもある.本稿は日本を含む世界15ヵ国103施設で実施されたRCTである(n =2,013).非弁膜症性心房細動による脳梗塞患者に対する直接作用型経口抗凝固薬(DOAC)開始日を,早期群(軽症と中等症梗塞は2日以内,重症梗塞は6-7日)と後期群(軽症梗塞は3-4日,中等症は6-7日,重症は12-14日)に1対1で割り振った.