てんかんを有する妊婦に対する高用量葉酸の投与は発がんリスクを高める:スカンジナビア妊娠登録より

公開日:

2025年1月17日  

最終更新日:

2025年2月26日

【背景】

妊娠可能期の女性てんかん患者に対しては,催奇形性の少ない抗けいれん剤の選択と葉酸投与が推奨されている(文献1).成人における葉酸摂取推奨量は約0.4 mg/日とされている(文献2).しかし,日本の保険薬は1錠5 mgであり,実際にはこれを隔日に内服させるか,半錠(2.5 mg)ずつ内服させていることも多い.しかし最近,妊娠中に高用量(1 mg/日以上)の葉酸を服用していたてんかん患者から生まれた児の発癌リスクが高いことが報告され,注目されている(文献3).
本研究はスカンジナビア3国で実施されている全妊娠の前向き登録(SCA–AED)に基づく研究である.2017年までの21年間に146.6万人の初産婦が登録された.このうち6.4万人(4.4%)が高用量葉酸を服用していた.