小脳梗塞に対する内減圧(壊死組織の切除)はどこまで行うべきか:ドイツの多施設共同研究から

公開日:

2025年1月17日  

最終更新日:

2025年2月26日

【背景】

米国心臓協会/脳卒中協会のガイドラインでは,小脳梗塞の中で占拠性効果を呈し,神経症状の悪化を示すものには外減圧手術が推奨されている(文献1).さらに脳梗塞の体積が大きいものでは,梗塞・壊死に陥った組織の切除が必要になることもある(文献2–4).本稿は,ゲッティンゲン大学などドイツの5ヵ所の第三次脳卒中センターで2011年以降に何らかの外科的治療が行われた小脳梗塞91例(平均年齢65歳)の後方視的解析で,梗塞・壊死組織の切除量と機能予後との関係を検討したものである.平均梗塞体積は45 ccであった.このうち49例には壊死組織切除+頭蓋形成,18例には壊死組織切除+外減圧(頭蓋形成なし),24例には外減圧のみが施行された.