経耳介迷走神経刺激はくも膜下出血後の炎症性サイトカインの放出を減少し,血管れん縮を抑制する:セントルイス・ワシントン大学のRCT

公開日:

2025年2月25日  

最終更新日:

2025年10月16日

【背景】

迷走神経電気刺激は難治性てんかんに対する治療手段として普及しているが(文献1),うつや脳卒中後片麻痺に対する補助治療としても登場しつつある(文献2,3).また刺激の方法として,侵襲的な埋め込み型刺激装置ではなく,耳介の迷走神経支配領域を刺激する方法が導入され,これに伴い治療対象も片頭痛,リウマチ,不眠症,耳鳴などに拡がりつつある(文献4,5).
本稿はくも膜下出血後の脳血管れん縮に関してセントルイス・ワシントン大学で実施されたRCTである.対象は発症24時間以内のくも膜下出血患者27例で,迷走神経に対する実刺激群(左耳甲介舟の電気刺激)13例とシャム刺激群(左耳朶の電気刺激)14例に無作為に分けられた.