T2強調像での腫瘍体積に比べてT1強調像での腫瘍体積が小さなIDH変異型星細胞腫では摘出率が低い

公開日:

2025年2月25日  

最終更新日:

2025年10月16日

【背景】

星細胞腫では,T2強調像で高信号の腫瘍体積とT1強調像で低信号の腫瘍体積の差(ΔT2T1)が大きいものではびまん性・浸潤性成長の性質が強く,正常脳との境界が不明瞭で腫瘍摘出率が低いことが報告されている(Iusら,文献1).しかし,この報告では対象の星細胞腫の分子遺伝学的な定義はされておらず,T1/T2体積比(T1強調像での腫瘍体積/T2強調像での腫瘍体積)と摘出率との関係も不明である.
ミュンヘン大学とヨーテボリ大学脳外科は2003年から2021年に初回摘出手術が行われたIDH変異型グレード2-3星細胞腫(1p/19q共欠失なし)の134例を対象にT1/T2体積比と摘出度との関係を後方視的に検討した.