頭蓋内類上皮腫の臨床像と術後長期経過:UCSFの146例

公開日:

2025年5月31日  

最終更新日:

2025年10月16日

【背景】

類上皮腫は頭蓋内腫瘍のうち1%前後の稀な腫瘍である(文献1,2).極めて良性ながら後頭蓋窩や正中線上にできることが多く,腫瘍被膜が周囲組織に密着しているので完全な摘出は容易ではない.
UCSF脳外科は1989年以降の34年間に摘出術を行った146例(平均40歳)を解析して,その臨床像,手術成績,長期的な転帰を求めた.腫瘍の最大径は平均4.3 cmで,5.1%は診断時に水頭症を伴っていた.腫瘍の存在部位は小脳橋角部(53.4%)が最多で,鞍上部(9.6%),中頭蓋窩(5.5%)が続いた.手術後の追跡期間中央値は3.8年.再発は0回78.9%,1回15.0%,2回以上6.1%であった.