小脳橋角部類上皮腫の被膜を含めた完全摘出は本当に再発を防ぐのか:ヘルシンキ大学の30例,中央値13年の長期追跡の結果から

公開日:

2025年12月5日  

最終更新日:

2026年1月9日

【背景】

小脳橋角部は類上皮腫の好発部位である.腫瘍被膜も含めた完全切除が再発を予防するので,手術の第一目標と考えられてきた(文献1-3).しかし,腫瘍被膜は後頭蓋窩の重要な神経・血管構造に密着しているため,完全切除後に新規神経症状を来すことは稀ではない(文献4,5).ヘルシンキ大学脳外科は過去50年間に摘出術を行った小脳橋角部類上皮腫連続30例(平均36歳)の長期追跡を行い,腫瘍摘出度が再発に与える影響を検討した.
追跡期間中央値は13年(1.6-48年)で,16例(53%)は10年超の追跡であった.術者の判断による摘出度は,GTR(被膜も含めて全摘出)27%,NTR(被膜のみ残存)30%,STR(のう胞内容物が残存)43%であった.