メキシコ発,世界最大のアクロメガリーデータベースに基づく疫学研究

公開日:

2016年9月8日  

最終更新日:

2017年6月9日

The Mexican Acromegaly Registry: Clinical and biochemical characteristics at diagnosis and therapeutic outcomes.

Author:

Portocarrero-Ortiz LA  et al.

Affiliation:

Instituto Nacional de Neurología y Neurocirugía, Mexico City, Mexico

⇒ PubMedで読む[PMID:27428551]

ジャーナル名:J Clin Endocrinol Metab.
発行年月:2016 Jul
巻数:jc20161937
開始ページ:[Epub ahead of print]

【背景】

Mexican Acromegaly Registry (MAR)は2009年に樹立され,1990年以降に診断された先端巨大症患者のon-line platformを用いたレジストリーである (n=2,057).

【結論】

有病率は100万人あたり18人と推定された.先端巨大症患者における高血圧,耐糖能障害,糖尿病,高脂血症の有病率は,27%,18.4%, 30%,24%であった.経蝶形骨洞手術が72%に実施され,ソマトスタチン誘導体を主体とする薬物療法は単独治療として26%に補助療法として54%の症例に実施された.手術単独による寛解(糖負荷後のGH底値:1 ng/mLかつIGF-1:<正常上限の1.2倍)は38.4%であった.オクトレオチド単独治療による寛解は46.5%であった.治療成績はヨーロッパのレジストリーにおおよそ一致する.

【評価】

メキシコレジストリーの有病率は従来報告されている先端巨大症の有病率40〜60/100万人に比較してかなり低い.また著者らの自負にもかかわらず,治療成績は最近の他施設の報告に比べて見劣りがする.それにも関わらずビッグジャーナルへの論文掲載となったのは,ヨーロッパ以外での初めての住民ベースのレジストリーであることと最大規模の登録患者数であることが上げられる.さらに,他地域での住民ベースの研究を促す意図もうかがえる.ひるがえって,本邦における登録研究は頓挫したままである.総括と未来への展望が必要である.

執筆者: 

有田和徳

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