下垂体マクロアデノーマに対する内視鏡下経蝶形骨洞手術における高分解能術中MRIの利用

公開日:

2016年10月13日  

最終更新日:

2017年6月9日

The utility of high-resolution intraoperative MRI in endoscopic transsphenoidal surgery for pituitary macroadenomas: early experience in the Advanced Multimodality Image Guided Operating suite.

Author:

Laws ER Jr.  et al.

Affiliation:

Departments of Neurosurgery, Brigham and Women’s Hospital, Boston, MA, USA

⇒ PubMedで読む[PMID:26926058]

ジャーナル名:Neurosurg Focus.
発行年月:2016 Mar
巻数:40(3)
開始ページ:E18

【背景】

Brigham and Women’s Hospitalにおける3Tesla術中MRI(iMRI)(AMIGO手術室)の有用性の評価である.20例のマクロアデノーマ(臨床的非機能性下垂体腺腫15例,成長ホルモン産生腺腫5例)が対象で,腫瘍径は2.8cm(1.4〜4.5).

【結論】

内視鏡単独では12例(60%)で肉眼的全摘出が達成された.内視鏡下観察では予期できなかった残存腫瘍がiMRIで6例(30%)で発見された.iMRI後の追加切除によって,肉眼的全摘出率は60%から80%に改善した.

【評価】

下垂体手術中の術中MRI(iMRI)による残存腫瘍や術野外での予期しない異変の発見はこれまでも報告されてきた.本報告は内視鏡下経蝶形骨洞手術における高磁場(3T)iMRIの利用に関する報告である.内視鏡では観察あるいは推定できなかった残存腫瘍が30%で見つかったという事実はインパクトが大きい.しかし,下垂体腺腫が良性腫瘍であることを考えれば鞍上部残存腫瘍が下降するのを待って再手術して問題はないという考え方もある.また,iMRIの設置と運用にかかわる費用,手術室の専有,患者在室時間の長さまで考慮に入れた総費用とiMRIで得られる患者の利益(QALYなど)の厳密な対比はいまだ行われてはいない.大規模教育機関以外でも真に実用システムとして普及するためには,iMRI非使用群を対象としたRCTが必要性がある.その場合,術者の手術手技を左右しないよう,不作為割り付けの結果は内視鏡下手術終了まで術者を含めた手術チームは知らないことが必要である.

執筆者: 

有田和徳

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