成長ホルモン受容体エクソン3遺伝子変異と代謝指標の関係:韓国の先端巨大症患者における検討

公開日:

2016年10月2日  

最終更新日:

2017年6月9日

Association between the Growth Hormone Receptor Exon 3 Polymorphism and Metabolic Factors in Korean Patients with Acromegaly.

Author:

Park HY  et al.

Affiliation:

Department of Internal Medicine, Kyungpook National University School of Medicine, Daegu, Korea

⇒ PubMedで読む[PMID:25559716]

ジャーナル名:Endocrinol Metab (Seoul).
発行年月:2015 Sep
巻数:30(3)
開始ページ:312

【背景】

成長ホルモン受容体(GHR)の遺伝子は5番染色体短腕上(p13.1〜p12)にあり,9個のエクソンからなるが,リガンド結合部位はエクソン3〜7によってコードされている.GHRには2種類のアイソフォームが知られており,エクソン3によってコードされる部分が保たれているfull-length GHR(fl-GHR)と欠損しているd3-GHRである.一般人口における頻度はおよそd3/d3遺伝子型10〜20%,d3/fl遺伝子型30〜40%,fl/fl遺伝子型50%で,先端巨大症患者ではd3アレルを有する患者は約50%と報告されている.
Kyungpook大学のPark HYらは,韓国の先端巨大症患者における成長ホルモン受容体(GHR)のエクソン3遺伝子多型の頻度と代謝指標の関係を求めた(n=30).

【結論】

d3/d3遺伝子型0%, d3/fl遺伝子型13.3%,fl/fl遺伝子型86.7%であった.d3/fl遺伝子型を有する患者ではfl/fl遺伝子型に比較してBMIは有意に高かった(p=0.001).性,年齢,血圧,IGF-1,GH,FBS,中性脂肪,HDL-cho,LDL-choに差はなかった

【評価】

先端巨大症患者の臨床表現型はGHやIGF-1の高さと必ずしも相関するわけではない.患者が有している成長ホルモン受容体(GHR)のアイソフォームが先端巨大症の臨床表現型とかかわっているかも知れないとう仮説は魅力的である.従来の報告(フランス,イタリア,メキシコ)ではd3アレルを有する先端巨大症患者の割合は約50%とされてきたが,韓国からの本報告では13.3%に過ぎない.一般人口におけるd3アレルの頻度も中国,韓国からの報告では25%と低い.この差は人種差によるのかも知れない.
d3アレルを有する先端巨大症患者では,IGF-1レベルが高く、先端巨大症にともなう種々の合併症の重症度が高く,治療抵抗性であるという報告もあるが,定説とはなっていない.本研究でも唯一関係があったのはBMIのみであったが,d3アレルの患者が4人しかいないので,より大きな患者集団で確認される必要性がある.また,このテーマに関する日本からの報告が待たれる.

執筆者: 

有田和徳

メールで読みたい方はこちら

メルマガ登録する