経蝶形骨洞手術中MRIのための蝶形骨洞内コイル,前臨床試験

公開日:

2016年8月20日  

最終更新日:

2017年9月1日

Endosphenoidal coil for intraoperative magnetic resonance imaging of the pituitary gland during transsphenoidal surgery.

Author:

Chittiboina P  et al.

Affiliation:

Surgical Neurology Branch, National Institute of Neurological Disorders and Stroke

⇒ PubMedで読む[PMID:26991390]

ジャーナル名:J Neurosurg.
発行年月:2016 Dec
巻数:125(6)
開始ページ:1451

【背景】

下垂体を対象とした高分解能MRIでもクッシング病の微小腺腫の50%,下垂体腺腫の硬膜浸潤の80%を描出できない.一方,一般に表面コイルを用いると,隣接する組織の高精細なMRI画像を得ることができる.本研究では手術中の下垂体内微小解剖の描出能を改善することを目的として,蝶形骨洞内に設置する受信専用の12mm径の表面コイル(Endosphenoidal Coil:ESC)を開発し,その機能を評価した.最小空間分解能はT1画像で0.15×0.15×0.30mm³.5個の死体頭部を用いた模擬的な口唇下経由経蝶形骨洞手術の際に,このESCをトルコ鞍前面に置き,ESCをレシーバーコイルとしてMRI画像を得た.

【結論】

ESC画像は通常の8チャンネルヘッドコイルによる画像に比べてシグナル/ノイズ比が10倍高かった. ESCを用いた高分解画像では通常のMRIでは得られなかった下垂体被膜,海綿静脈洞間静脈洞,微小石灰化,中間葉などの情報が得られた.

【評価】

クッシング病における下垂体微小腺腫には3テスラMRIでも術前に描出できないものがある.このため下錐体静脈洞サンプリングの結果に基づいた下垂体切除が行われることも多い. ESCを用いた術中MRIダイナミックスタディーで超微小な下垂体腺腫の描出が可能になれば,下垂体機能低下のリスクを冒して下垂体切除を行う頻度は減るかもしれない.また,微小硬膜浸潤の発見によって手術の根治性が向上する可能性がある.一方現在,下垂体手術の大部分が経鼻手術であるので,臨床応用に当たっては,ESCの小型化が必須である.

執筆者: 

有田和徳

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