非機能性下垂体腺腫患者における合併症の男女差:スウェーデン発

公開日:

2016年8月8日  

最終更新日:

2017年9月23日

Higher incidence of morbidity in women than men with non-functioning pituitary adenoma: a Swedish nationwide study

Author:

Olsson DS  et al.

Affiliation:

University of Gothenburg and Sahlgrenska University Hospital, Sweden

⇒ PubMedで読む[PMID:27147638]

ジャーナル名:Eur J Endocrinol.
発行年月:2016 Jul
巻数:175(1)
開始ページ:55

【背景】

著者らは過去にスウェーデンの全住民データベースを用いて非機能性下垂体腺腫(NFPA;nonfunctioning pituitary adenoma)を有する女性あるいは若年成人患者(<40)では死亡率が高いことを報告している(J Clin Endocrinol Metab. 2015).本研究ではNFPA患者の合併症発生率に対する性差の影響を明らかにする.NFPA患者はNational Registries in Swedenを通して検出され,経過観察された.性別ごとの各種合併症の標準化罹患率比(SIR)を求めた.

【結論】

対象患者は男性1,502人,女性1,293人,合計2,795人で,平均追跡期間(リスク人/年)は7.2年.下垂体機能低下症は全体で54%の患者に認められた.全NFPA患者において,健常者に比較してT2DM,脳梗塞,敗血症のSIRの有意な上昇が認められた.女性NFPA患者群では,健常者ならびに男性NFPA男性群に比較してT2DM, 心筋梗塞,脳梗塞,骨折のSIRが有意に高かった.診断時年齢が40歳以前の若年成人では健常者に比較してT2DM,脳梗塞,敗血症のSIRが高かった.

【評価】

過去の報告でも,女性NFPA患者では,男性群に比較して種々の合併症の割合が高いことが報告されているが,20,000人/年という大規模追跡研究である本研究で,そのことが再確認された.合併症罹患率の男女差の原因として,女性患者においてステロイドホルモン補充量が相対的に多い,成長ホルモン補充の頻度が低い,性ホルモンの補充が不適切,下垂体機能低下症が正しく診断されていないなどの理由が推測されている.本研究では,下垂体機能低下症と診断される頻度が女性で有意に少なく(p<0.0001),下垂体機能低下症が正しく診断されていない結果として,適切に治療されていない可能性が示唆された.


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