非機能性下垂体腺腫術後の残存腫瘍に対するガンマナイフ:術後早期か待機後か

公開日:

2016年10月17日  

最終更新日:

2017年6月9日

Early versus late Gamma Knife radiosurgery following transsphenoidal resection for nonfunctioning pituitary macroadenomas: a matched cohort study.

Author:

Sheehan JP.  et al.

Affiliation:

Department of Neurosurgery, University of Virginia Health System, Charlottesville, Virginia, USA

⇒ PubMedで読む[PMID:26517773]

ジャーナル名:J Neurosurg.
発行年月:2016 Jul
巻数:125(1)
開始ページ:202

【背景】

非機能性下垂体腺腫手術後の残存腫瘍に対するガンマナイフはその高い腫瘍制御効果が知られている.問題は,手術後早期の照射と待機後の照射で腫瘍制御効果が異なるか否かである.バージニア・ヘルスシステムのSheehan JPは後方視的な研究で,この問題に答えた.早期照射群(術後6カ月以内の照射),晩期照射群(術後6カ月以降の照射)とも症例数は32例.照射後追跡期間は68.5カ月(中央値).

【結論】

晩期照射群では照射後の腫瘍増大のリスクが早期照射群に比べて高く(p=0.027),内分泌症状の出現率も高かった(p=0.041).照射前に内分泌症状がなかった症例で照射後に内分泌症状が出現する割合は早期照射群17%に対して晩期照射群64%であった(p=0.036). 新たな内分泌症状出現の第一の理由は追跡期間中の腫瘍増大であった.亜全摘出が達成できた非機能性下垂体腺腫患者の残存腫瘍に対するガンマナイフを遅らせることは,照射後の増大や新たな内分泌症状の出現につながる.

【評価】

明快なスタディーデザインであり,シンプルな結論である.しかし,残存腫瘍がありながら長期間増大せず追加治療も必要ないという症例も経験される.一方,晩期照射群では,再発が確認された腫瘍,すなわち腫瘍増殖能が高い腫瘍がガンマナイフ治療の対象となっている可能性が高い.このことが腫瘍制御率の不良と新たな内分泌症状の出現につながっている可能性を否定できない.亜全摘が達成できた非機能性下垂体腺腫を対象に照射時期で2群に分けた前向きRCTが必要である.

執筆者: 

有田和徳

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