米国における先端巨大症の疫学 :health plan databaseが示すもの

Vol.1, No.2, P.19 公開日:

2016年9月30日  

最終更新日:

2021年1月12日

Incidence and prevalence of acromegaly in a large US health plan database.

Author:

Burton T  et al.

Affiliation:

Optum, Waltham, MA, USA

⇒ PubMedで読む[PMID:26792654]

ジャーナル名:Pituitary.
発行年月:2016 Jun
巻数:19(3)
開始ページ:262

【背景】

先端巨大症の発生率や有病率の報告はヨーロッパからが多く,米合衆国は少ない.本研究はマネージドケアのデータベース(2008〜2012年)を用いて発生率,有病率,その他の疫学データを提供する.

【結論】

マネージドケアにおける医療費請求を基に算出すると,有病率は2008年から2012年ではほぼ一定で,毎年78人/100万人であった.男女差はないが,年齢と共に有病率は上昇し,65歳以上では148〜182人/100万人に達した.

【評価】

このデータは医療費請求を基に算出しており,治癒した患者,未診断の患者,治療を受けていない患者は含まれないので,発生率,有病率とも過小評価している可能性が高い.筆頭著者は米国の医療情報,マネージメント,コンサルタント,ヘルスサービスなどを手がける医療関連総合会社(Optum)で働くPhDである.最近立て続けに下垂体腺腫関係で疫学データを発表している.今後,民間医療保険会社が有する住民ベースのデータベースに基づく疫学研究も増加すると思われる.

執筆者: 

有田和徳

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