ACTH産生下垂体腫瘍を含むクッシング症候群患者では癌の発生率が1.78倍高い:イスラエルの医療保険データベースの解析から

公開日:

2025年1月29日  

最終更新日:

2025年10月16日

【背景】

ACTH産生PitNET(クッシング病)や副腎腺腫などの内因性(薬剤性ではない)クッシング症候群(CS)では,種々の合併症による死亡率が高い(文献1,2,3,4).ただし,CS患者における癌の発生率に関する研究は少ない.
本稿はイスラエル国民990万人のうち480万人をカバーする医療保険データベースに基づく後方視研究である.2000年以降の23年間に診断された609例の内因性CS患者が抽出された.原因別内訳は,クッシング病41%,副腎癌を除く副腎性CS 33%,不確定26%であった.各症例毎に,一般人口の中から年齢・性・社会経済的な背景・BMIをマッチさせた対照を1:5の割合で設定した.