2D対3D内視鏡,標準対高精細内視鏡:頭蓋内解剖モデルによる比較

公開日:

2016年9月7日  

最終更新日:

2017年9月23日

Comparative effectiveness of 3-dimensional vs 2-dimensional and high-definition vs standard-definition neuroendoscopy: a preclinical randomized crossover study.

Author:

Marcus HJ  et al.

Affiliation:

Department of Neurosurgery, Imperial College Healthcare NHS Trust, London, UK

⇒ PubMedで読む[PMID:24220007]

ジャーナル名:Neurosurgery.
発行年月:2014 Apr
巻数:74(4)
開始ページ:375

【背景】

英国Imperial College Healthcare Trust脳外科のMarcus HJらは 3D頭蓋・脳モデルとカラーターゲットを用いた2D対3D内視鏡,標準分解能(SD)対高分解能(HD)内視鏡,およびその組み合わせの比較評価試験を行った.被験者は内視鏡手術の経験がない10人.3D頭蓋・脳モデルの眼窩上部に3cmの開窓を設けて,3〜6cm深部に最小1mmのカラーターゲットを置いた.被験者に,片手で内視鏡スコープを操作し,対側の手に持ったガイドプローブでできるだけ早くかつ正確にカラーターゲットの中心をポイントするように指示した.

【結論】

タスクに要した時間は2D内視鏡より3D内視鏡のほうが短かった(p=0.001).正確さはHD内視鏡のほうがSD内視鏡より高かった(p=0.009).リッカートスケールによる術者の主観的な評価では深部感覚は2Dに対して3D内視鏡で優れており(p<0.001),画質はSDに対してHD内視鏡で優れていた(p<0.001).

【評価】

世界の先進的施設に3D神経内視鏡やHD神経内視鏡が導入されて数年になるが,2DやSDとの客観的な比較試験の報告は乏しい.本研究は3D頭蓋・脳モデルと疑似ターゲット(蝶形骨平面近傍か)を用いた比較試験であるが,内視鏡における3DとHDの効果は相補的であり,どちらかの欠損を補うことはできないことを明らかにした.したがって,3D-HD内視鏡の使用にはエビデンスがあるという結論である.確かに,これから3D-HD内視鏡の時代に進むのは間違いないと思われるが,その一般化に向けてはまだ解決すべき問題も多い.現段階では光量の不足,視野角の狭さ,2D-HDと比較したときの画質の低下,3D酔い,偏光メガネ装用の煩わしさとそれに伴う明るさの低下の問題,膨大な画像データのストレージとその処理ソフトの普及の問題などを指摘することができる.

執筆者: 

有田和徳   

監修者: 

藤尾信吾

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