GPR101遺伝子変異による巨人症と先端巨大症の臨床的特徴は何か

公開日:

2016年8月8日  

最終更新日:

2017年9月23日

Gigantism and Acromegaly Due to Xq26 Microduplications and GPR101 Mutation

Author:

Stratakis CA  et al.

Affiliation:

National Institutes of Health, Clinical Research Center, Bethesda, MD, USA

⇒ PubMedで読む[PMID:25470569]

ジャーナル名:N Engl J Med.
発行年月:2014 Dec
巻数:371(25)
開始ページ:2363

【背景】

43例の巨人症患者対照に遺伝子学的かつ臨床的な検討を行い,248例の先端巨大症患者を対象に原因遺伝子のシークエンスを行った.

【結論】

43例の巨人症患者のうち13例にX染色体長腕 Xq26.3 領域に微小重複が認められた.このうち4人(2+2)は無関係の2家系に属していた.9人は孤発例であった.男女比は9対4であった.13人の発症はいずれも幼児期であった(中央値1歳).この染色体異常を有さない30人は,いずれも発症が5歳以降であった.Xq26.3部位には4個の蛋白翻訳遺伝子を含んでいることがわかった.このうち患者の下垂体病変に発現していたのはG蛋白質共役オーファン受容体の一種をエンコードするGPR101のみであった.248例の先端巨大症患者ではXq26.3微小重複は認められなかったが,11例でGPR101遺伝子変異(p.E308D)が認められた.この遺伝子変異は3例の末梢血単核球と8例の腫瘍に認められた.

【評価】

成長ホルモン産生下垂体腺腫が小児期に発症すると巨人症になる.著者らは,このうち超早期発症例ではX染色体上の微小重複が認められること,この重複領域に含まれる遺伝子のうち腫瘍発生の原因となるのがGPR101であることを発見した.さらに,頻度は少ないが成人例すなわち先端巨大症例の腫瘍にもGPR101の遺伝子変異が認められた.著者らはこの変異GPR101遺伝子をラット由来成長ホルモン産生細胞GH3に導入し,成長ホルモンの過剰産生と細胞増殖を証明している.一段ずつ仮説,検証を進めて原因遺伝子の特定にいたる過程を描いた本論文にはある種の推理小説を読むような楽しさがある.

執筆者: 

有田和徳

関連文献


メールで読みたい方はこちら

メルマガ登録する