Vol.2, No.2, P.4 公開日:
2017年3月26日最終更新日:
2022年2月14日Nationwide hospital-based survey of idiopathic normal pressure hydrocephalus in Japan: Epidemiological and clinical characteristics.
Author:
Kuriyama N et al.Affiliation:
Department of Epidemiology for Community Health and Medicine, Kyoto Prefectural University of Medicine, Japanジャーナル名: | Brain Behav. |
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発行年月: | 2017 Jan |
巻数: | 7(3) |
開始ページ: | e00635 |
【背景】
従来,特発性正常圧水頭症(iNPH)の日本における全国的な疫学調査は実施されてこなかった.iNPHで手術を受けた患者数と臨床的な特徴を明らかにするために,2012年の全国的なiNPHの患者数と手術数を求めた.全国14,089 の病院を対象に質問票を郵送し,全国1,804の病院から患者数の情報が寄せられた.
【結論】
2012年の1年間,日本全国でiNPHと診断された患者数は12,900人で,手術を受けた患者は6,700人と推定出来た.粗発生率は10.2/100,000人であった.男女とも半数が70歳以上での発症であった.iNPHの初発症状としては,歩行障害は男性(52.8% vs.44.8%),認知症状は女性(18.0% vs. 14.2% )で多かった(p<0.05).確定診断がついた段階では歩行障害が最も多く,78%であった. 高血圧は40%,糖尿病は15%,アルツハイマー病は15%に認められた.初期治療としては,LPシャントは55%,VPシャントは43%であった.
【評価】
日本におけるiNPHの発生数と手術数を推定した重要な研究である.70歳以上の患者が多いこと,男女で初発症状に若干の差があることは注目すべきである.
関連文献
参考サマリー