日本における特発性正常圧水頭症の疫学:病院ベースの全国的な疫学調査

公開日:

2017年3月26日  

最終更新日:

2017年9月15日

Nationwide hospital-based survey of idiopathic normal pressure hydrocephalus in Japan: Epidemiological and clinical characteristics.

Author:

Kuriyama N  et al.

Affiliation:

Department of Epidemiology for Community Health and Medicine, Kyoto Prefectural University of Medicine, Japan

⇒ PubMedで読む[PMID:28293475]

ジャーナル名:Brain Behav.
発行年月:2017 Jan
巻数:7(3)
開始ページ:e00635

【背景】

従来,特発性正常圧水頭症(iNPH)の日本における全国的な疫学調査は実施されてこなかった.iNPHで手術を受けた患者数と臨床的な特徴を明らかにするために,2012年の全国的なiNPHの患者数と手術数を求めた.全国14,089 の病院を対象に質問票を郵送し,全国1,804の病院から患者数の情報が寄せられた.

【結論】

2012年の1年間,日本全国でiNPHと診断される患者数は12,900人で,手術を受けた患者は6,700人と推定出来た.粗発生率は10.2/100,000人であった.男女とも半数が70歳以上での発症であった.iNPHの初発症状としては男性では歩行障害が(52.8% vs.44.8%),女性では認知症状(18.0% vs. 14.2% )が多かった(p<0.05).確定診断がついた段階では歩行障害が最も多く,78%であった. 高血圧は40%,糖尿病は15%,アルツハイマー病は15%に認められた.初期治療としては,LPシャントは55%,VPシャントは43%であった.

【評価】

日本におけるiNPHの発生数と手術数を推定した重要な研究である.70歳以上の患者が多いこと,男女で初発症状に若干の差があることは注目すべきである.

執筆者: 

有田和徳   

監修者: 

川原隆

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