第三脳室内留置電極による慢性刺激は群発頭痛に有効

公開日:

2017年4月20日  

最終更新日:

2017年4月25日

Endoventricular Deep Brain Stimulation of the Third Ventricle: Proof of Concept and Application to Cluster Headache.

Author:

Stéphan Chabardès and Alim Louis Benabid  et al.

Affiliation:

Clinique de Neurochirurgie, Hopital Michallon, Centre Hospitalier Universitaire, 38042 Grenoble cedex 09, France

⇒ PubMedで読む[PMID:27244468]

ジャーナル名:Neurosurgery.
発行年月:2016 Dec
巻数:79(6)
開始ページ:806

【背景】

群発頭痛の背景に後部視床下部の機能異常が指摘されている.仏グルノーブルのBenabidらは,難治性の群発頭痛患者7例に対して経モンロー孔的に第三脳室底に刺激電極を留置し,後部視床下部の慢性電気刺激を行い,安全性と効果を評価した.

【結論】

電極設置に伴う有害事象は手術中も手術後も認められなかった.刺激強度は0.9〜2.3voltであった.最も多い副作用は刺激中の視野の揺れであった.12ヵ月で7例中3例が疼痛なし,2例が90%の改善,1例が75%の改善,1例は効果なしであった.6例で不安とうつのスコアの改善が認められた(p<0.01).

【評価】

群発頭痛は流涙,鼻閉,鼻汁を伴った激しい痛み発作が一定の期間に繰り返すもので,効果的な治療薬がなく,最も難治の頭痛の1つである.PET検査では群発頭痛の患者で,後部視床下部に過剰活動が指摘されており,MRI上で同部の形態異常も指摘されている. 群発頭痛患者に対する,定位的に視床下部に対する設置された電極を通した慢性電気刺激の効果は報告されているが,脳実質内出血を来す可能性があり,少なくとも1例の死亡例が報告されている.
本方法は定位的な手法で刺激リードを経側脳室的にモンロー孔に挿入し,そこから後方に向けて進め,第三脳室底に留置するものである.この方法によって,より安全で確実な後部視床下部の刺激が可能になっているが,モンロー孔近傍,第三脳室内でのトラブルの可能性は否定出来ない.
この他に,群発頭痛に対する電気刺激療法としては,後頭神経の刺激,蝶口蓋神経節の刺激がある.これらは後部視床下部刺激に比べると有効性は低いが,安全性は高い.難治性の群発頭痛に対しては,まず後頭神経刺激か蝶口蓋神経節刺激を試し,効果が不十分であれば,後部視床下部刺激に進むという戦略も可能である.
今後,より多数例で,盲検が行われるべきであるが,この手法は視床下部を直接刺激する方法として比較的安全な方法であり,肥満など視床下部が関係する他の疾患への応用も可能かも知れない.

執筆者: 

有田和徳

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