Vol.2, No.2, P.17 公開日:
2017年4月22日最終更新日:
2021年2月1日Curcumin decreases malignant characteristics of glioblastoma stem cells via induction of reactive oxygen species.
Author:
Gersey MD et al.Affiliation:
Department of Neurosurgery, University of Miami Miller School of Medicineジャーナル名: | BMC Cancer. |
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発行年月: | 2017 Feb |
巻数: | 17(1) |
開始ページ: | 99 |
【背景】
近年,癌幹細胞(CSC)標的治療が注目を集めている.また,ターメリックに含まれるクルクミンが抗CSC作用を持つことが指摘されている.GerseyらはMiami大学でWHO-Ⅳグリオーマと診断された患者サンプル(n=5)からGBM幹細胞(GSC)を抽出し,クルクミンの抗GSC作用を検討した.
【結論】
クルクミンは用量依存性にGSC生存率を低下させた.またGSCのみでなくGBM細胞(U87, U251, CH235)に対しても同様であった.また,クルクミン治療後にGSCは活性酸素(ROS)を誘発し(p<0.05),ウェスタンブロット法を用いたシグナル経路の解析では,クルクミン投与によるMAPKの活性化,STAT3の不活性化が確認された.
【評価】
CSCは腫瘍の形成,発達,再発に関与する幹様細胞である.本研究では,クルクミンが他の悪性腫瘍と同様にGBMにおいても標的治療の一助となる可能性が示された.またその機序がROSを介したSTAT3下流の発現低下によることも証明された.クルクミン治療を実現するには局所での血漿濃度をいかにして治療域まで上げるかという障壁があり,生物学的利用率の研究が進行している.近年双極性障害やアルツハイマー病など多彩な疾患にその効果が示唆されるクルクミンだが,GBMに対する効果を決定するには今後単剤投与・集学的治療を通した臨床試験を要する.
関連文献
参考サマリー