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2018年7月17日最終更新日:
2021年3月2日【背景】
難治性の神経因性疼痛に対する脳表電極による大脳皮質運動野刺激術(MCS)の鎮痛効果は,1991年に本邦のTsubokawaらによって初めて報告された(文献1).その後,約400例の報告があるが,有効率は57〜65%にとどまっている.このため,患者選択の有効な基準が求められているが,既報の中で有用なものは少ない.一方,反復経頭蓋磁気刺激(repetitive transcranial magnetic stimulation,rTMS)がMCSの候補選択に有効であることが1995年に初めて報告され(文献2),その後いくつかの追試が実施されている.しかし,これらはシングルセッション刺激によるものが多く,陰性的中率(NPV)が低いという問題が指摘されている(文献3).フランスのPommierらは,神経因性疼痛を有する患者12例に対して,3〜4週の間隔をおいた4セッション以上の rTMSを施行し,その鎮痛効果とMCS(12例全例に実施)による鎮痛効果との相関を検証した.
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