潜因性脳梗塞における右左シャント(卵円孔開存)の頻度は37%:英国における経頭蓋ドプラーによる住民ベース研究(OXVASC)

公開日:

2018年7月17日  

最終更新日:

2021年3月2日

【背景】

60歳以下の潜因性脳梗塞患者の卵円孔開存(PFO)に対する経皮的閉鎖術が脳梗塞再発に対する有効な予防策であることのエビデンスは蓄積されつつある(文献1).しかし,より高齢の潜因性脳梗塞患者におけるPFOの頻度やPFO閉鎖術の有効性についての合意はまだない.英国OXVASC研究は,オックスフォードシャー州のうち約100名の家庭医を擁する9つのプライマリーケアに登録されている約9.3万人を対象とした脳卒中に関する住民ベース前向き登録研究である(文献2).今回はTIAか軽症(後遺症状のない)の脳梗塞連続572例(60歳以上が77%,半数が潜因性梗塞)を対象として,気泡生理食塩水を使用した経頭蓋ドプラー(バブルTCD)による右左シャントの検出を行い,PFOの頻度を推定した.