CT血管撮影所見とrt-PAによる血栓溶解の効果の相関(INTERRSeCTスタディー):末梢性病変とhairline streakサインは再開通の予測因子

公開日:

2018年11月6日  

最終更新日:

2018年11月6日

Association of Clinical, Imaging, and Thrombus Characteristics With Recanalization of Visible Intracranial Occlusion in Patients With Acute Ischemic Stroke.

Author:

Menon BK.  et al.

Affiliation:

University of Calgary, Calgary, Alberta, Canada

⇒ PubMedで読む[PMID:30208455]

ジャーナル名:JAMA.
発行年月:2018 Sep
巻数:320(10)
開始ページ:1017

【背景】

発症4.5時間以内の急性期脳梗塞に対してrt-PA静注が広く行われるが,個別の症例について再開通率を予測する手法は確立していない.本稿は急性期脳梗塞575症例を対象に,臨床徴候や画像所見からrt-PAによる再開通症例の特徴を検証した多施設前向き研究(INTERRSeCT)である.Baselineは発症6時間以内のCTA(CT血管撮影所見),アウトカムはrAOL(0;不変~3;完全開通)で評価した.

【結論】

治療はrt-PA単独が47.8%,rt-PA+EVT(血管内治療による血栓除去)が33.9%,EVT単独が8.3%,その他保存的加療が9.9%であった.再開通(rAOL 2b~3)は全体の27.3%で認めた.
多変量解析において,rt-PAによる再開通率と相関したのは,①rt-PA静注から画像評価までの時間(OR 1.28/30分),②遠位病変(distal M1;46.4% vs. ICA;10.9%,OR 5.61),③塞栓部より末梢への血流残存(hairline streakあり;66.7% vs. なし;24.1%,OR 7.03)であった(各 p<0.01).

【評価】

急性期脳梗塞のrt-PA有効性について,CTAの所見から予測を試みた報告である.現在,適応症例に対しては積極的にrt-PA静注が施行されているが,各症例における血栓溶解率の予測モデルは確立しておらず,rt-PA静注後に保存的加療のみとするか,EVTまで施行すべきかについて早期に判断することは困難である.rt-PA使用後血栓の画像評価(thin-section非造影CT)では,全体の約80%が早期部分溶解を得るものの,完全溶解は9.4%に留まる(文献1)との報告もあり,EVTが推奨される症例の選択は治療効果の向上に貢献する重要なテーマである.
本研究で示された結果は,今後一次脳卒中センターでrt-PAが投与された患者を,EVT目的でより高次センターに送る際の判断を左右するかも知れない.すなわち内頸動脈閉塞では,rt-PA静注後4時間たっても再開通は20%前後であるのに対して,M1末梢の閉塞でかつCTAで閉塞部位から末梢への残存腫瘍血流が残っているものでは,再開通は80%前後に上るので,このような症例を長時間かけて転送する有益性は乏しいかも知れない.逆に,内頸動脈閉塞症例では,EVTを目的とした高次センターへの搬送は最初から追及されるべきであろう.
本研究の問題点として,再開通評価にCTAと血管造影という2つの異なる手法を用いている点があるが,再開通grading評価に与える誤差は僅かであると筆者らは述べている.また,近位病変は画像評価が早期に行われる可能性が高い点,遠位病変(MCA M3,ACA,PCA)の症例数が少ない点,血栓の性状(サイズ,表面積,透過性)に関する詳細な検証はなされていない点なども問題点として上げられる.さらに血栓溶解の程度と臨床転帰(死亡率,神経機能)との関連についても未検討であり,今後さらなる解析が求められる.

執筆者: 

牧野隆太郎   

監修者: 

有田和徳

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