Group 3,4の髄芽腫にジゴキシンが有効か:drug repositioningによる発見

公開日:

2018年11月16日  

最終更新日:

2021年2月17日

【背景】

髄芽腫は,遺伝子異常のパターンによって4群に分けられる.WNT groupではWNT-βカテニンシグナル伝達経路(CTNNB1),SHH群ではソニック・ヘッジホグ伝達経路(PTCH,SMO,SUFU)の遺伝子異常が発癌に関係しており,今後,このシグナル経路をターゲットとした分子標的治療が開発される可能性がある(文献1).一方,Group 3では,MYCの増幅,PVT1-MYCの融合遺伝子など,Group 4ではMYCおよびCDK6の増幅,KDM6遺伝子変異などの発現頻度は高いが,この2群における遺伝子変異あるいはエピゲネティックな修飾は複雑でかつ群内の不均質性も大きく,分子標的治療のターゲットにはなりにくい.本研究では,システムバイオロジーに基づく既存薬再開発の手法を用いて,Group 3,4に有効な薬剤を探索した.