原因不明の脳塞栓症(ESUS)に対するリバロキサバン対アスピリンのRCT:NAVIGATE ESUS試験

公開日:

2018年5月29日  

最終更新日:

2021年2月15日

【背景】

脳塞栓症の多くは心原性であり,非弁膜症性心房細動患者の一次・二次脳卒中予防におけるリバロキサバンなどの新規抗凝固剤(NOAC)のワーファリンに対する優越性は既に証明されている(文献1).一方,脳塞栓症のうち20〜25%は原因不明であり,これらはcryptogenic strokeやembolic stroke of undetermined source (ESUS)と呼ばれている.
現段階で,この集団を対象とした二次予防におけるアスピリンと比較したNOACの効果は証明されていない.本RCTの対象は,脳塞栓症に罹患した患者のうちESUSに該当する患者,すなわち①近位動脈に50%以上の狭窄がない,②ラクナ梗塞でない,③心臓に塞栓源がない患者である.3,609例がリバロキサバン(15 mg/日),3,604例がアスピリン(100 mg/日)に割り当てられた.主要効果アウトカムは全脳卒中(虚血+出血)と全身の塞栓性イベントとした.