大麻抽出物質による転倒てんかんの治療

公開日:

2018年5月29日  

最終更新日:

2021年2月15日

【背景】

レノックス・ガストー症候群(Lennox–Gastaut syndrome:LGS)は,転倒発作や強直発作など複数のてんかん発作型を繰り返しながら,精神運動遅滞や退行を引き起こす小児に多い薬剤抵抗性てんかん性脳症である(文献1).LGSに伴うてんかん発作型のうち転倒発作(drop attack)は,患者のADLを大きく阻害するのみならず,介護者にとっても大きな負担である.この転倒発作に対しては脳梁離断手術が有効であるが,侵襲性の問題がある.薬物療法としては最近市販されたルフィナミド(文献2)のほか,クロバザムなどが試みられているが,無効例も多い.New York大学のDevinskyらは,LGS患者の転倒発作に対するカンナビディオールの効果を二重盲RCTで検証した.対象は転倒発作を週に2回以上繰り返すレノックス・ガストー症候群の225例.患者はこれまで6種類(中央値)の抗痙攣剤が試され,3種類(中央値)の抗痙攣剤を服用中であった.