妊娠中にAVMの初回破裂リスクは高まるのか:メタ解析

公開日:

2019年7月18日  

最終更新日:

2019年7月26日

Risk of First Hemorrhage of Brain Arteriovenous Malformations During Pregnancy: A Systematic Review of the Literature.

Author:

Davidoff CL  et al.

Affiliation:

Department of Clinical Medicine, Faculty of Medicine and Health Sciences, Macquarie University, New South Wales, Australia

⇒ PubMedで読む[PMID:31149721]

ジャーナル名:Neurosurgery.
発行年月:2019 May
巻数:[Epub ahead of print]
開始ページ:

【背景】

妊娠中の脳動静脈奇形の初回破裂が高いという報告があるが,本当にそうか.オーストラリアNew South WalesのDavidoffらは,3本の報告,4コホートを解析して,その問いに応えた,患者数は47例.

【結論】

4コホートの妊娠中の破裂率は3.0%(95%CI:1.7~5.2%);3.5%(95% CI:2.4~4.5%);8.6%(95% CI:1.8~25%);30%(95% CI:18~49%)と,大きな差があった.最後のオランダのコホートだけが,妊娠中の破裂率が非妊娠中の破裂率を超えていた(相対比6.8,95% CI:3.6~13).

【評価】

妊娠中の脳出血の頻度は0.9~7.5/100,000出産で,妊婦死亡の4~12%を占める.妊娠中の脳出血の8~38%で脳動静脈奇形が原因とされる.動静脈奇形の妊娠中の破裂リスクの増加を初めて指摘したRobinson JLらは,AVMを有する妊婦に対しては帝王切開での分娩を勧めている(1974,文献1).また,それに続くForsterらの論文では,女児の脳動静脈奇形は妊娠が問題になる以前に治療されるべきで,それが困難な場合は,妊娠分娩についてのカウンセリングが必要とされている(文献2).しかし,妊娠中の破裂リスクは非妊娠時に比較して高くないとの報告も多く,長く議論されてきた.今回の文献レビューでは妊娠中の破裂リスクの明らかな増加は示されなかったが,1報のみで非常に高い相対破裂リスクが報告されていた(文献3).過去の報告は大きなバイアスと方法論的な欠点のため,客観的な解析は不可能で,今後,多施設でのクロスオーバー研究(妊娠・分娩を患者自身で決める)が早急に実施されるべきであると結んでいる.

執筆者: 

菅田淳   

監修者: 

有田和徳

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