トラネキサム酸(tranexamic acid,TXA)は頭部外傷における死亡を減らす:CRASH-3トライアル

公開日:

2019年12月2日  

最終更新日:

2021年6月8日

【背景】

先行するCRASH-2トライアルでは,頭部以外の重症出血を伴う外傷患者において,受傷後3時間以内のTXAの投与が,全死亡率と出血死を低下させることが示され(文献1),同治療は欧州等のガイドラインではGrade1Aとして推奨されている.本論文は頭部外傷患者を対象として,世界29カ国で実施されたCRASH-3の報告である.対象は頭部外傷患者で,GCS 12以下か,CTで何らかの頭蓋内出血がある患者で頭蓋外の大出血がない患者12,737例.6,406例にTXA(導入量1 g/10分の後1 g/8時間持続)が投与され,6,331例に偽薬が投与された.9,297例(72.2%)が受傷後3時間以内に投与を受けた.