髄膜リンパ管系の賦活で膠芽腫の免疫特権を打ち破る:Natureより

公開日:

2020年2月12日  

最終更新日:

2021年7月16日

【背景】

脳には通常のリンパ流が欠如していることから,膠芽腫はCD4T細胞,CD8T細胞を介した腫瘍免疫監視・反応を逃れて増殖すると考えられている.一方,最近,髄膜リンパ管を構成要素とする脳リンパ流システムという概念が提案され,多発性硬化症等の炎症性疾患における病態成立に関与している可能性が示されている(文献1,2).深頚部リンパ管は,この髄膜リンパ管システムのドレナージルートである.岩崎明子ら米エール大学のチームはマウス膠芽腫モデルにおいて,髄膜リンパ系への操作が,抗腫瘍免疫を高める事を明らかにした.