中枢神経原発悪性リンパ腫患者における末梢血リンパ球分画の臨床的意義:CD4+/CD8+比が高いと予後不良

公開日:

2022年8月10日  

最終更新日:

2022年10月4日

【背景】

中枢神経原発悪性リンパ腫(PCNSL)は原発性脳腫瘍の約4%を占め,予後不良である(文献1,2).PCNSLは,免疫不全患者と免疫正常患者では画像所見,臨床症状,治療反応性,予後が異なる.また,腫瘍へのCD8+ Tリンパ球の少ない浸潤が予後不良と関係する事も知られている(文献3).
エクス=マルセイユ大学のチームは,末梢血リンパ球数やタイプがPCNSL患者の臨床像に与える影響を検討した.対象は53名(年齢中央値69.7歳,KPS中央値60).64%の患者では何らかのリンパ球分画の減少を示し,その内訳はNK細胞40%,T細胞46%,B細胞17%であった.21%のみが正常のリンパ球分画を示した.