脳静脈血栓症に対する血管内治療は抗凝固療法単独に勝る効果はない:ACTION-CVT研究の987例

公開日:

2022年9月30日  

最終更新日:

2023年1月24日

【背景】

脳静脈血栓症に対する血管内治療の有効性に関する報告はあるが,そのエビデンスレベルは低く,ガイドライン上の推奨度も低い(文献1~4).また,2020年発表の世界初のRCT(TO-ACT試験)でも,血管内治療の有効性を示すことは出来ていない(文献5).本研究(ACTION-CVT)は,2015年から6年間に世界27施設で治療された脳静脈血栓症987例(平均45.7歳,女性63%)についての後方視的解析である.908例が治療用量の抗凝固療法のみを受け(薬物療法群),79例(8%)が抗凝固療法に加えて血管内治療を受けた(EVT群).解析には傾向スコアマッチング法(PSM)と逆確率重み付け法(IPTW)を用いた.