特発性頭蓋内圧亢進症に伴う静脈洞狭窄症では狭窄部前後の圧格差が低くてもステント術が有効

公開日:

2022年10月25日  

最終更新日:

2023年1月24日

【背景】

脳静脈洞狭窄は特発性頭蓋内圧亢進症(IIH)の主要な原因の一つである(文献1).これまでは,主として狭窄部前後の圧格差が大きな症例に対するステント術の有効性が報告されてきた(文献2,3).本稿は,圧格差が低い症例に対するステント術の有効性の検討である.対象はテキサス大学ヘルスサイエンスセンターでステント術を受けたIIH患者53症例(女性70%,平均32歳,平均BMI:36)で,全例うっ血乳頭などの眼科的検査での異常,高い髄液圧>20 cmH2O,非侵襲的画像検査ならびに血管撮影で静脈洞狭窄を呈した.狭窄部前後での圧格差(mmHg)は≦4:9例,5~8:18例,>8:26例であった.