頭蓋内の主要な3部位に出来る髄膜腫の成長速度を左右する因子:大阪大学における313例

公開日:

2023年6月7日  

最終更新日:

2023年9月13日

【背景】

MRIなどの画像診断上,髄膜腫が偶然に発見される頻度は0.5–2.5%である(文献1,2).円蓋部,傍矢状洞部,大脳鎌部の3部位は髄膜腫の好発部位であり,頭蓋内髄膜腫の50–65%がこれら3部位に発生する(文献3,4).これら3部位の髄膜腫は頭蓋底髄膜腫より増大速度が速いとの報告もあるが(文献5),詳細は不明である.
大阪大学脳外科のチームは,これら3部位に出来た髄膜腫を対象に後方視的解析を行い,成長速度と成長に関係する因子を検討した.対象症例は1990年以降に同脳外科を受診し,その3ヵ月-5年後の追跡MRIデータが得られた313例(女性78%,平均年齢66歳,体積中央値3.3 cm3).