慢性硬膜下血腫における中心線偏位の程度は年齢の影響が大きい

公開日:

2023年9月28日  

最終更新日:

2023年11月28日

【背景】

超高齢者の慢性硬膜下血腫では,結構な大きさでも無症状のことは多い.超高齢者では元来,強い脳萎縮があったり,硬膜下水腫があるので,そんなこともあるのだろうと思っていたが,これまで,この点についてのきちんとした研究はなかったらしい.ハーバード医科大学脳外科などのチームは,慢性硬膜下血腫における中心線偏位に及ぼす年齢の影響を明らかにするために,後方視研究を行った.対象は一側性で治療歴のない慢性硬膜下血腫69例(平均年齢71.6歳,範囲:25-94).22%は無症候性で,78%は頭痛,神経症状,歩行障害,嘔気嘔吐などの症状を呈した.全例が中硬膜動脈塞栓術を受け,なかには血腫吸引術を受けたものもあった.