血清ビメンチン濃度はグリオーマの診断と膠芽腫患者の予後推定に役立つ

公開日:

2023年9月28日  

最終更新日:

2023年11月28日

【背景】

ビメンチンは分子量57-kDaの蛋白質で,間葉系細胞に特有の中間径フィラメントである(文献1).中枢神経では血管内皮細胞,上衣細胞,そして未成熟神経膠細胞に発現している(文献2,3).
東京女子医科大学のSaitoらは神経膠腫(グリオーマ)の診断,そして膠芽腫の予後推定における術前の血清ビメンチン濃度測定の意義を明らかにするために,この後方視的研究を行った.対象は新規に診断されたグリオーマ連続52症例(膠芽腫27例を含む)と健常成人13人.ビメンチン濃度の測定はELISA法で行った.膠芽腫患者27例では,全例放射線照射とテモゾロミド投与からなる標準治療が行われた.