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2024年5月12日最終更新日:
2024年10月5日【背景】
半側空間無視は非優位側(右)頭頂葉の障害で起こることが示唆されているが,どの白質構造が直接に関与しているかは明らかになっていない.シカゴ・ノースウェスタン大学脳外科などのチームは,30例の右大脳半球のグリオーマの患者(93%が右利き)を対象に定量的トラクトグラフィーの手法を用いて弓状束内の3成分を含む9個の線維束の障害を解析し,この問題を検討した.弓状束は,中心前回腹側と前頭弁蓋後方から縁上回に向かう前方成分(水平走行),中心前回腹側と前頭弁蓋から中・下側頭回にいたる長成分(弓状走行),角回から側頭葉の後方に向かう後方成分(縦走行)に分けられた.空間無視の判定にはベル消去テストを用いた.
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