中枢神経系原発悪性リンパ腫疑い症例に対して,生検前にステロイドを投与すると,どれほど組織診断率が下がるか?: 19報告1226例のメタアナリシス

公開日:

2024年5月22日  

最終更新日:

2024年10月5日

【背景】

脳原発悪性リンパ腫は原発性脳腫瘍の約4%を占める(文献1,2).脳原発悪性リンパ腫が疑われる症例の生検術前にステロイド剤を投与すると生検が空振りに終わることがあるというのは脳外科医にとっての半ば常識であるが,本当にそうなのか.術直前に中止や減量をしてもだめなのか.ブリティッシュ・コロンビア大学脳外科は過去の19報告1,226例のメタアナリシスを行った.対象症例のうち679例(55%)で,術前に平均6.7日間,デキサメタゾン当量17.5 mg/日のステロイド剤投与が行われていた.実際,最も一般的に使用されていたステロイド剤はデキサメタゾンで,4 mgを6時間おきに投与しているケースが多かった.