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2024年8月9日最終更新日:
2024年10月5日【背景】
Rhomboid lip(菱形窩唇,以下RL)は,第四脳室腹側壁の外側からルシュカ孔に延びる神経組織で出来たシート状の膜で,正常構造である(文献1).RLは,時にポーチ状となって,Luschka孔を超えて舌咽・迷走神経の背側まで進展することがある(文献2,3,4).このポーチ状のRLは,最近の高分解能MRIで描出されたり,後頭蓋窩手術中に気付かれることがあるが,その臨床的意義は不明である.
順天堂大学脳外科は2016年から6年間に,後S状静脈洞法で行った後頭蓋窩手術(顔面けいれん,神経鞘腫,髄膜腫など)の304例を後方視的にレビューし,RLが発見される頻度やその形態等につき解析した.
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