CEA術後の過灌流が2年後の認知機能に与える影響:岩手医科大学のCEA 460症例から

公開日:

2024年9月15日  

最終更新日:

2024年10月5日

【背景】

頚動脈血栓内膜剥離術(CEA)後の過灌流が,手術後1-2ヵ月での認知機能低下をもたらすことは知られている(文献1-3).しかし,手術後長期の影響については明らかになっていない.本研究は過去20年間に岩手医科大学で実施された460例のCEAを対象に,過灌流が認知機能に与える長期的な影響を検討したものである.CEA直後のSPECTでは,58例(13%)で過灌流が観察された.このうち41例(71%)では3日後のSPECTで過灌流は解消され,無症候性と判断された.残りの17例(29%)ではSPECT上で過灌流は増悪し,過灌流症候を呈したので,プロポフォール昏睡治療が行われ,その後,全例症状の消失が得られた.