上前頭回後部腫瘍手術後の補足運動野症候群の出現頻度と持続期間は?:Mayoクリニックの106例

公開日:

2024年9月26日  

最終更新日:

2025年1月7日

【背景】

上前頭回後部(PSFG)腫瘍の摘出後には,対側肢の失行や発語の失行すなわち補足運動野症候群(SMAS)を呈することがあるが(文献1,2,3),そのリスク因子や予後は明らかではない.
Mayoクリニック脳外科は,2008年以降の約12年間に実施したPSFG腫瘍106例(左側60%,年齢中央値46歳)に対する123手術(摘出術102例,生検術21例)によって生じた神経症状,持続期間,転帰などを解析した.腫瘍の種類は星細胞腫37%,膠芽腫29%,乏突起膠腫16%,転移性腫瘍8%などであった.対象腫瘍のうち67%は,運動皮質37%,深部白質24%,脳梁17%,帯状回12%などPSFG周囲に進展していた.