発症12時間以内の急性期脳梗塞に対する抗炎症血栓溶解剤JX10(TMS-007)の安全性:国内前期第II相臨床試験の結果

公開日:

2024年11月14日  

最終更新日:

2025年1月7日

【背景】

現在の経静脈的血栓溶解剤tPAは頭蓋内出血の畏れがあるため,最終健常確認後4.5時間以内の投与が条件となっている.JX10(TMS-007)は,黒カビ由来のSMTP化合物ファミリーに属する低分子化合物であり,血栓溶解促進作用に加えて抗酸化作用や抗炎症作用に由来する脳保護作用を有している.動物実験では,同剤が脳梗塞による死亡率を下げ,神経欠損症状を改善し,かつ出血性変化を抑制することが判明している.
本稿は,国内41施設で実施された前期第II相臨床試験の結果である.対象は最終健常確認後12時間以内の急性期脳梗塞患者90例で,38例にはプラセボ,52例にはJX10の3用量が割り当てられた.